穴 |
押利鰤鰤 ◆u1pBPPGUww: 空に穴がいた休日 |
氷点下まで気温が下がった冬の休日の早朝。 前の晩から降り積もった雪の除雪をするために家の外に出た。 あまりの寒さに頬と耳が痛い。雲一つなく晴れ渡ったまだ朝の空は寒々としていて、より一層、空気の冷たさを倍増している。 昨夜は雪が降り続いていたのだけど、思ったほどに雪は積もっておらず、これならば雪かきしなくてもいいだろうと私は思った。 そうとなれば、休日なので家の中に戻り、もう少し寝ようと思い、私は雪かき用のスコップを元にあった場所に戻すと、家の中に戻るために玄関のドアのノブに手をかけた。 その時、ふと空を見上げると、空には大きな穴が空いていたのだ。 それは真っ黒な穴だった。廻りの青い空とは境目こそグラデーションになっているが、穴の中だけはまるでその部分だけまだ夜のように漆黒に染まっている。 よく見れば、そこには夜空に輝く様な星が見えた。天の川も、他の銀河や星雲までも見えたのである。 これは天変地異か、その前触れかと思い、急いで家の中に戻り、テレビを付けてみる。当然のようにテレビの中でも特番が組まれる程に大騒ぎになっていた。 普通ならば休日のこの時間は情報番組と天気予報なのだけれども、各局の報道センターから、早朝だというのにその局の顔であるトップキャスターが司会をしていて、全国から中継を交えながら現在の状況をアナウンサーがリポートしていた。 テレビを見ていた解った事は、この現象は全国各地で起こっているわけではなく、私が住んでいる街の上空で起きていると言う事だった。 番組に出演していた学者か言うには、どうやら大気が薄くなってるか、消失しているらしいという事だった。 早い話がオゾンホールの強力なやつだという。 その為に有害な紫外線や宇宙線が通常の何倍も地表に届く事になるので、外出を控えて屋内で穴が消えるまで待機して欲しいと呼びかけていた。 政府官邸からの中継では首相が、国民にたいして冷静な対応を取るように呼びかけ、自衛隊の災害派遣出動を決めた事を発表していた。 紫外線やら、宇宙線というものは、家の中にいれば安全なのかどうかと言う事は、よく解らなかったが、とりあえず私は今日の休日を、寝て過ごす事に決めたのだった。 |
2014/01/21 (火) 23:31 公開 |
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凄く、苦手です。
会話文は割といけるのですが。