札幌生まれだからもちろん雪に縁があるというかもはや縁どころの騒ぎではないわけなんですが不思議に雪だるまに関する記憶があまりなくてどっちかというと雪合戦やる時必ず雪玉の中につららの太くて固い部分や小石を入れて投げただとかたびたび雪かきをやらされて腰が痛かったとかいじめにあったときに雪山に埋められたとかそういうのばかりで雪についてとにかくいい思い出というものがないのでそのせいかよくもまあ雪だるまというお題で小説などという田中康夫のような私など及びもしないような頭のいい人ですら書くのやめちゃったとかいうくらいむつかしくてしかも努力のわりには政治家になるよりもはるかに割に合わないようなものをぬけぬけと書いてみませんかとか抜かしたもんだよなあとか思うわけなんですがまああんたも書ける人らしいから日雇い書けやなどとけっこうボインでカワイコちゃんとの噂のある早起きちゃんさんからそんな風なお世辞でも言われりゃそっかよしじゃ書いてみっかとか思うのがバカでスケベな中年男の考えることであるのでさてうんうんとＰＣの前に向かって心に浮かぶよしなしことでもとりあえず書き連ねてみべいかとかいう感じになっているわけなんですがそもそも雪だるまというのはとにかく作るのに手間がかかるわけで子供のころですと子供の手のひらサイズの雪玉から一人であの大きさまで転がしていったとしたらけっこう時間とかかかったりするしそれでなおかつ胴体用の大振りのと頭用の胴体用のよりはちょい小さめのをそれぞれ作らなきゃいけないわけで子供が作るものにしては負担が大きいものなんですよね少なくとも私にとってはそうでしたし中年になった現在でも毎日雪降る街に住んでいたとしても寒空の中そんな思いまでして作ろうなんていったらもうよほど雪だるま作ったらけっこうな金くれるとかそういうのがない限り作ろうなどとは思いませんとても思いませんああ思いません思うかバカヤローそう言えばこの文章書きはじめてからずっと雪だるまについての記憶を辿っているんですがいくら考えても作ろうとして結局やめたみたいな記憶しかないんですよねやっぱ疲れちゃったんだろうな飽き性だしだいたい一週間だけ通ってた幼稚園でもみんなと遊ばないで絵本ばかり読んでてそこの園長に投げ飛ばされたあげく行くのやめちゃったくらいでこないだ親に園長さんにもうあの子の面倒みきれませんとか言われてまったく恥ずかしい思いをしたという話をされたわけですがまあ下層貧民の分際で幼稚園などという文部省管轄のいかにもハエソサエテーな階級の子供しか通えないようなところに無理やり通わせるのがそもそもいけないのではないかと私のような盆暗でも思うわけですがたぶんそれは私が交通事故に遭って間もないころでおそらくはその時親が私をぶつけた人から少なからぬお金を取っちゃったもんだから分もわきまえず調子こいてたせいだろうと今にしてみれば思うわけでなんでもぶつけた人は東証一部上場企業の部長さんだかなんだかという人だったらしいんでそりゃさぞいいお金になったでしょうまあ揉めると面倒くさいので親に事実を問いただしたことはありませんしそれが本当だったらなおさらそのことは言わないような気がしますのでまあいずれにしてもすごい昔の話ですし不問に付することにします要するに私の体で金儲けとかできてホントによかったねと言いたいだけなんですがまあ家であったまってストーブの上で焼いたもちでもうまうま食ってれば平和でいいものをなんでまたわざわざ苦労してまで雪だるまなどというものを作らなければならないのか考えてみるとよくわからないわけででも絵本とかでみるといい感じがするもんだからとりあえず作ってみようとは何回か思って実際作ってみようとしたはずでそう言えば今思い出しましたが自分で手がけた完成品があったような気がしてきました運悪く雪があんまりない時で出来たものも下だけ大きくて上はといえば雪よりも泥の配分の方が多めの顔のパーツもない悲惨なものだったみたいな絵が何度かしつこく浮かんできてるんですがさて問題はこれが本当の記憶なのかわからないことで先に書きました通り生来飽き性でしかも忘れっぽくなんでも途中で放り出すような子供でしたからあんな手間のかかるもの作りきれるわけないだろうとか思うんですがたぶんどっかの誰かが作ったのを見ていただけかもしれませんしそれか友達とでも協力して作ったのかもしれませんもしそうなら楽しい思い出などあったかもしれませんが悲しいことにそこまでしてくれるような友達が私にはいませんでしたしそう思うと考えるだけなんだか不愉快な感じですねではまた。

■ 作者<dgq3fFkr> からのメッセージ
過去作をちびちび出すだけの簡単なお仕事です。