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初詣までの路
大蜷局大吉 ◆XYndhCe37s: お正月恋愛祭り参加作品
 アルバイト先の従業員たちと、仕事終わりに初詣に行こうと誘われたのは、もうすでに大晦日の事だった。
 大晦日と言ってもフリーターで、恋人もいない俺としては何の予定もなく二つ返事でOKした。
 早番だった俺は、いったんアパートに帰ってダラダラと過ごし、待ち合わせの場所であるファミレスに向かった。
 ファミレスに着いたのは約束の時間より三十分ほど早かったのだが、バイト先で後輩の八千草さんはそれなりに混んでいる店の窓際の席で、一人ビールを飲んでいた。
 「大蜷局さん、こっち」
 俺に気が付いた八千草さんに手招きされて、彼女の向かいに腰を降ろす。
 俺もビールをジョッキで頼んだ。
 「ずいぶん早いな。一人で飲んでたのか?」
 「アパートの部屋で一人で飲んでいたって、缶ビール一巻飲み切れないじゃないですか。こんなお店ならジョッキでカプカプいけますよ」
 「いろいろ間違っている気がするけれど、俺が思うに家で飲めなくて、店で飲めるというのは、何人かの仲間と楽しく話をしながら飲むから飲めるんじゃないだろうか。ところで最近の二十歳のお嬢さんが初詣に行く時に、小豆色のジャージで行くものなのか?」
 俺は届いたビールを一口飲むと、そう言った。
 八千草さんが着ているのは通っていた中学校指定のジャージと思われた。
 胸の所に白い布が縫いつけられていて、そこに「3年1組 八千草薫子」とマジックで書かれている。
 「楽じゃないですかジャージって。中学の頃から愛用してるんですよ。基本普段はジャージで高校の時のジャージと着回してるんです」
 「少しくらいオシャレしたらどうなんだって事だ」
 顔の作りはそれなりに可愛いのに。
 「そう言えば、大蜷局さんていくつでしたっけ?」
 「俺は四年に一度しか歳を取らないからな、いまのところ9歳だ」
 「実年齢35歳。高卒。童貞喪失は20歳の時で、相手はバイト先で知り合った惣菜売り場担当38歳バツイチの女性。その時に借金の保証人になり、逃げられて自己破産。猫のタマミを溺愛していたけども、タマミが8年の生涯を終えた時、ペットロスで泣き暮らす日々が三ヶ月に及ぶ。現在は新たに三毛猫の小桃を迎え、幸せな日々を取り戻す。20代後半より職を転々とし、現在のスーパー金太郎は一年ほど勤務している。趣味はパチンコ。好物はマックのポテト。嫌いな物は胡瓜。好きな芸能人は日本エレキテル連合の小雪ちゃん」
 「こぇーよ。どこで調べたんだよ」
 「フェイスブックで大蜷局さんのお友達、山県さんとお友達になったんですけど、いろいろと教えてくれましたよ?」
 「訴えてやる!!」
 そんなどうでもいい話をしながら、ビールは進み、テーブルの上にはすでにツマミとは言えない量の食い物が並んでいた。
 すでに約束の時間は過ぎていて、今年も残り僅かとなっている。
 「みんな遅いな」
 「ちょっと電話してみますね」
 八千草さんはそう言うとスマホを取り出して、電話をかけ始めた。
 電話をかけたところそれぞれに事情があって遅れるとの事だった。
 まぁ、事情があるというのは当然だだろう。
 なんせ大晦日なのだから、家族とか恋人とか色々あるだろう。
 「大蜷局さんは結婚したいとか、恋人が欲しいとか思わないんですか」
 「めんどくさい。一人で生きていて何も問題がない。性欲は自慰行為で問題ない」
 「そう言えば、風俗が好きとか言う話は山県さんから聞いてないですね」
 「射精するより、パチンコで確変大当たりした時の方が気持ちいいだろ?」
 「射精した事ありませんけど、それはそれで立派なダメ人間ですよね」
 話がシモになり始めたので、心の中ではこれはもしかしてセクハラかと思い始めたのだけど、八千草さんは気にしている様子は無いようだった。
 「そりゃ俺だって、若い頃はいろいろと興味津々で、チャレンジャー的な気分でいろいろと試してみたけれど、それは結局の所は生殖行為と言うよりも、あくまで自慰行為の延長であって、自意識の権化みたいなものだったんだよ。射精したついでに抜かないまま小便したら、相手がおかーさーん!!とか言って泣き始めて振られたりな。それでも俺はこんなもんかと」
 「まさに肉便器ですね。鬼畜過ぎますよ。よく刺されなかったですね。それでそんな生活をいつまで続けるつもりなんですか」
 「さぁ?」
 「お店のオーナーに正社員にならないかって誘われているんでしょう?野菜売り場主任としてやってくれないかって」
 「ありがたいとは思うけど、俺には夢があるんだよ。バイトの方が時間に自由があるからな。手取もバイトの方が多いんだぞ」
 「夢って何です?」
 「夢というのは無暗に口にするものじゃない。口にすると夢が漏れていくんだよ」
 「パチンコと同じでオカルトですか」
 「オカルト言うな」
 「ですけど、小説家になりたいなんて無謀も良いところですよ。だいたいなれたところで食えないじゃないですか?」
 「また山県か!!野菜売り場担当よりは食えるだろ」
 「どうかな?」
 「そういう八千草さんは夢とか希望とか無いの?」
 「夢というのは無暗に口にするものじゃないんですよ。口にすると夢が漏れていくんです」
 「それは俺の言葉だ」
 「冗談はさておき、あえて言うなら、夢は幸せな家庭ですかね」
 「壮大だな。よく言うお嫁サンバ」
 「お嫁サンバというわけじゃないですよ、それは過程であって目指すのは家庭です」
 「難しいな。俺には無理だな」
 「小さくても持ち家で、庭があってそこにブランコがあるんです。そのブランコで遊ぶ男の子と女の子一人ずつを軒先で優しい旦那さんが笑顔で見守っている姿を、私はコーヒーを入れながら見ている。日々は穏やかに流れて、家族の誰も事故にあったり、大きな病気をしないで歳を重ねていって、大きくなった子供たちはそれぞれの家庭を持って出て行き、旦那さんと二人で暮らすようになった私達の所に孫をつれてときどき遊びに来てくれて、そんな日々を過ごしながら寿命で旦那さんより先に亡くなる年老いた私」
 「難しいな。それを完璧にこなせする奴なんてそんなにいないよ。それが夢や希望だって言うならば、八千草さんの家庭はそうじゃなかったって事だろ?」
 「そうですね。両親は私が小さい時に離婚して、母親に引き取られたんです。その母親が再婚したのは私が中学生の時でした。義父は畜生で、それこそ射精した後にそのままおしっこしたりするような人でした。突っ込まれたバイブレーターが中で折れて、子供が産めなくなっちゃいましたよ。まぁ、それで事件が発覚して母親が出刃包丁で刺して瀕死の重傷を負わせて刑務所に入ったりして。なかなか凄惨な人生ですよね」
 「……マジ?」
 「嘘です」
 「リアルな嘘をつかないでくれ」
 「父も母も普通です。家庭も普通です。普通すぎて居心地が悪いですけど、それが幸せだったという事にいつか気が付くんでしょう。ロードみたいですね」
 それが本当だという確証も俺にはないし、彼女の口調もそう感じさせないものだった。
 それがどうであれ、あまり深入りしたくない話だったので俺は口を濁す。
 「オチとしては嫌だな。死んじゃうし」
 「あ、新年ですよ。あけましておめでとうございます」
 あからさまな俺の態度を気にもせず、八千草さんがそう言うので、店にかかった時計を見ると、午前0時を示していた。
 「おめでとう」
 結局、店の仲間たちとは近くの初詣をする神社で直接合流する事になった。
 俺たちはファミレスを出て、暗闇の中に見える他の初詣に向かう人々の列に加わる。
 雪はないものの、さすがに冷え込んでいるので、ジャージ姿の八千草さんは首にマフラーを巻いて横を歩いている。
 「周りから見れば、私たちカップルに見えるんですかね」
 八千草さんはそう呟いた。
 「どう見ても、父親と中学生の娘だろ」
 俺がそう言うと八千草さんは笑って答えた。
 「それも良いですね。すごく背徳的です」
2015/01/01 (木) 00:44 公開
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感想・批評
そう言えば、枚数を稼ぐために書くという手法は、素人が陥りがちな最悪の方法だと
其新人賞の審査委員長の方が仰っていました。ご参考まで。
7:  <6Dz7XZmm>  2015/01/02 (金) 04:25
参考にして下さい
× 私はラノベは専門ではありませんが、デビュー直前の小説と、それに対する編集部の指示(ダメ出し)なら
○ 私はラノベは専門ではありませんが、デビュー直前のラノベと、それに対する編集部の指示(ダメ出し)なら
6:  <6Dz7XZmm>  2015/01/02 (金) 04:05
参考にして下さい
実は、今回の感想を入れる前に、西尾維新さんのことが頭にちらついていました。
「余分に見える」描写とか、キャラが壊れそうになるくらいのネタとか、会話傾向であるとか、名前の付け方であるとか。
この作者さんは、きっと西尾維新さんを意識されているのだろうなーと。

ただ、私自身が物語シリーズの原作を読んだことが無いこと(アニメ版は化物語〜花物語まで全話3周しています)、
そして何より、形式上は西尾維新的でありながら、西尾維新的な面白さにつながっていないと感じられたことから、
今回のような感想を入れることにしました。

この長さで、彼の作風を表現するのは難しいということもありますが…。
たしか、西尾維新さんは短編も出されていましたよね?
彼が短編をどのように処理されているか、参考にしてみるのも良いと思います。

私はラノベは専門ではありませんが、デビュー直前の小説と、それに対する編集部の指示(ダメ出し)なら
目にすることがあります。西尾維新さんを意識していない小説も含めて、やっぱりベテランとヒヨコさん
(それでも素人とはレベルが全く違います)の違いは、描写の的確さに大きく出る、という印象です。
ベテランさんの小説は、ストイックなまでに無駄が無いですよ。西尾維新さんの小説は、本当に無駄な場面や
描写が溢れているのでしょうか? この点については、ちょっと疑問が残ります。
私が原作を読んだら分かるのでしょうけど…彼の小説は高くて(笑)

>いざ書いてみると今まで通りになってしまうのですが、そこを打開する方法を見つける事ができないでいます。

自分のやり方で結果が出せていない、 八九寺真宵ちゃんのように、気付くと同じ所を延々と迷い続けてしまう…。
ベテランの方も含めて、それは誰しも経験することだと思います。
どんな人間も、砂漠やジャングルのように広い場所では、大きな円を描きながらぐるぐると同じ所を歩いてしまうそうですよ。

そういう状態からの脱し方は、人それぞれが足掻きながら見つけるしかないと思います。

私の場合は、何もかもをすべて逆にしたりします。
自分の思考と選択は、すべて180度 間違っていると仮定して行動する。
普段であれば、これこれこういう理由で、この選択肢を選ぶけれど、今回はその逆…というように。
そんな行動を続けていると、今まで自明と思われていた事物が自明でないことに気付けたり、
まったく馬鹿げた選択にしか思えなかったものが、これ以上に無いほど合理的な側面を有していることに気付いたり。
あるいは、まずそうで避けていたミスドのドーナーツの新味が、やみつきになるほどおいしいことに気付く…。

人間なんて、所詮はみんな究極のお馬鹿さんです(文壇の大御所も含めて)。
時には、自分の選択と判断を「完全に」疑うことも大切かもしれません。
会社からの帰り道、普段とは違う道を通ってみるとか。
そんなささいな行動パターン(習慣)の変更から始めて、数十年間の人生で薄汚れた思考を「洗濯」してみるのもお勧めです。
5:  <6Dz7XZmm>  2015/01/02 (金) 04:01
参考にして下さい
コメントありがとうございます。
現在、内容と文体で、捨てコテを使った所でスレの方では100パーセント特定できると言われる
押利鰤鰤(旧・杉岡龍治、旧・二つ名はやわらか肉の錬金術師)です。
>>不要な描写(あっても無くても小説に大きく影響しない描写)
これは文字数稼ぎとも言えますが、あえてどうでもいい話を入れているというか、そう言う作風の西尾維新作品(関係ないと思ったら、後半への伏線だったと言う事も多いですが)が好きなもので。
短編でそれをやるなと言うのは解ります。

>>この投稿作は、恐らく軽い気持ちで書き流したものですよね?
はい。
4時間くらいで11枚。悪くないとは思います。焼き回しと言われますが。
中盤書いてる時点でも、ラストはどうしようか見えていなかったです。

>>そして、終わっていない。つまり、まだ続きがある。というか、まだ全然序盤の方。
終わっています。
この二人がその後どうなるのかというのは別の話です。
どうにもならないし、この時点で二人の関係が発展するわけではありません。
これが100枚の話なら、残り90枚のストーリーもあるでしょうが、10枚の話は10枚で終わりです。
こう言う余韻を残す終わり方は良くある事ですし、そう言う終わり方が好きなもので。
もちろん、公募狙いの作品はある程度きっちり終わった方が良いのかも知れません。

>>「やっぱりか…でも、その点は自覚してたし、本気作ではそんなことしないから問題無し!」なんて
自分を甘やかす言葉が出ないレベルまで推敲することをお勧めします。

結局、作品を投稿して今のように100パーセントの確率で、誰が書いたか当てられるようじゃ駄目だって事でしょうね。

目指すところはあっても、いざ書いてみると今まで通りになってしまうのですが、そこを打開する方法を見つける事ができないでいます。


>>先生は「こんなの3行で十分だ(不要な場面、不要な描写だらけ)」
>>と言って原稿を放り投げてしまいます。


 バイト先の後輩である二十歳の八千草薫子は、家庭環境にいろいろと複雑な物を持っていると、初詣に行く途中に話をした直後、彼女は俺に自分たちはカップルに見えるかと聞いてきた。
 俺は父親と中学生の娘じゃないかと答えると、彼女はそれはそれで背徳的ですねと言って笑ったのだった。

 こんな感じでしょうか?
4:  <SuBGaajC>  2015/01/01 (木) 13:37
押利鰤鰤
まだ書き落としたことがたくさんある気がしますが、とりあえず今回はここまでにします。
繰り返しますが、私は作者さんがどんな人で、どんな方向を目指しているのか知りません。
いろんな方が作者さんの小説にコメントをしてきたと思いますが、その中から大切な指摘を
選び出し、ご自分の力にして戴ければと思います。

それでは、お互いに頑張りましょう。
3:  <6Dz7XZmm>  2015/01/01 (木) 07:18
参考にして下さい
2)将来的に、エンタメやラノベの分野で、プロを目指す場合

そのつもりが無ければ、ここから下はお読みにならないことをお勧めします。
恐らく傷つきますし、袋小路に迷い込んで、小説を書くことが面白くなくなるかもしれません。

では、はじめます。
この投稿作は、恐らく軽い気持ちで書き流したものですよね?
そして、終わっていない。つまり、まだ続きがある。というか、まだ全然序盤の方。
セオリー的には、物語の構成要素を一通りチラ見させるべき場面ですが、
中途半端な所でDVDが一時停止になっている気分です。
少なくとも、私にはそう感じられました。

こういう状態ですと、読者がどんなに頑張っても作者さんの実力の程度や、小説の方向性(狙い)、
展開の巧みさ等をキチンと把握できず、コメントの精度が落ちてしまいます。
(文壇の方と直接お話しする際、よく同様のコメントを耳にします。)

これでは、作者さんが実力試しに参加した意味が薄れてしまいますので、
ちゃんとした評価を望む場合は、しっかり仕上げてから投稿することをお勧めします。
少なくとも、小説中の欠点を指摘された時に
「やっぱりか…でも、その点は自覚してたし、本気作ではそんなことしないから問題無し!」なんて
自分を甘やかす言葉が出ないレベルまで推敲することをお勧めします。

とは言え、他に方法が無いので、現在の投稿作に対し、推定を交えてコメントを入れますね。
基本的には1番のコメントとだぶりますが、描写の要否判定。どのような場面を選択して書くべきか。

以前、文壇の偉い先生(逆らったら廃業確実な)と一緒にアマチュアの応募作を読んだことがありますが、
今回のような密度薄めの展開が続きますと、先生は「こんなの3行で十分だ(不要な場面、不要な描写だらけ)」
と言って原稿を放り投げてしまいます。
本当に3行で書けるのかどうかは別として、それくらい重大なことなのだと感じて頂ければと思います。
作者さんの胸の中にある物語のうち、どの場面をどのように書くのか。慎重に決めて下さいね。
素材が悪ければ、どんなに調理に時間を掛けても無駄になってしまいますから。

そして、基本的なことで申し訳ないのですが、枚数の中できちんと話をまとめる習慣を付けた方が良いと思いました。
これは、特にプロを目指す場合(中、長編を書く場合)に効いてきます。
10枚、20枚レベルなら、話術やネタ、雰囲気だけで面白く読ませることができますが、
それ以上の長さになってくると、きつくて読めなくなってきます(飽きてくる)。
私が知る限り、ここは多くのワナビの人がとても苦労する点であり、プロとアマの分岐点のひとつと言っても良いと思います。
この点について勉強したことが無ければ、適当な小説指南本を読んで各種の手法を知るのもひとつの手ですね。

ネット上では短編の上手下手で評価が決まりがちですが、中長編には別のスキルが重要になってくること。
ネット上での評価と、中長編書きとしての評価が必ずしも一致しないこと、これも早めに意識しておかないと苦労すると思います。
短編だけならプロレベル、という方は、ワナビにも結構たくさんいるんですよ。
2:  <6Dz7XZmm>  2015/01/01 (木) 07:04
参考にして下さい
このお祭りは中止されましたが、投稿してくれた作者さんの気持ちを嬉しく感じたことから、
今回は、この1作だけ感想を入れさせて頂きます。

ただし、残念ながら私は作者さんのことを知りません。
1)ただ単に、仲間内で楽しめればいいと思っているのか。
2)将来的に、エンタメやラノベの分野で、プロを目指すつもりなのか。

上記のどちらなのかによって、ふさわしい感想は異なってくると思います。
ですので、今回は2種類の感想を入れてみますね。

1)仲間内で楽しむことが目的の場合
面白かったです。
投稿の最後まで読み終えてから、この内容なら(暇つぶしに)続きを読んでもいいなと思えました。
素人小説の少なからずが、数枚だけでも読んでいて苦しい、読み終えると心底ほっとするレベルであることを思えば、
これはきちんとエンタメできていますし、基本的な評価は高いです(まず第一に、面白さが大切)。

小豆色のジャージのヒロインも、マニアックなツボが押さえられていてGOODです。
(この部分については)ディテールの描写が絶妙で、ロリコンには溜まらないと思いますw
18禁ネタの方も、多少やりすぎの感はありましたが、私は楽しく笑えましたよ。

ただ、不要な描写(あっても無くても小説に大きく影響しない描写)が少なからずあって、
気の抜けたコーラ、湿ったクッキーのような微妙さ(間延び感)があるのも確かです。
この状態でもそれなりにおいしいが、もっとおいしくもなれる…という感じでしょうか。
その描写は本当に必要なのか、何のためにあるのかを考え、
意味が薄そうならズバッと切り落としてシェイプアップをはかる等、お勧めしてみます。

それと、会話にネタを盛り込むのは良いのですが、所々あまりに長すぎて、物語のテンポが崩れがちでした。
盛り上がり部分で急に紙芝居のような平坦な印象になるのは、このせいもあるかもしれません。
また、ネタが少々過激すぎ、ヒロインのキャラや雰囲気にヒビが入っているように感じられる所もありました。

以上、どれも致命的ではありませんが、改善されると洗練された小説に生まれ変われる気がします。
(洗練されすぎると、粗野で猥雑な面白さは減じてしまうのですけどね…。)
1:  <6Dz7XZmm>  2015/01/01 (木) 06:10
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