まじめな働き方 |
俺はまさしく首根っこをつかまれ、会議室から追い出された。 なにかが、おかしい。 入社してはじめての会議だったが、いままでの会社での会議と同じく進行係と発言者への人格攻撃をして、一言だけ感情論をずっと言っていただけだ。 これはブラック企業に入社したかなと思った。 俺は席に戻るとネット監視業務を再開した。 と言ってもネット監視と言えば都合がいいが、クライアントの誹謗中傷を検索したり、匿名掲示板を回って探す仕事だ。 いわゆるネットワーク管理者だぜ! 俺とはすごく相性がいい仕事だ。 別に書いてあることの分析などしなくていい。 それは、別の担当者がやることだ。 単に探すだけだ。 もともとソーシャルハッキングは得意だった。 匿名掲示板で何人もの名無しの身元を暴いてやった。 この仕事はハローワークで紹介された。 肉体労働はできるほどの体は持っていない。 MS Officeの使い方なぞ仕事をする上で覚える必要などないと思っていた。 定時出勤定時退社でネットをサーフィンして攻撃する仕事は楽しかった。 翌日、出社して席へ座ってPCの電源をつけようとすると、PCもディスプレイもなくなっていた。 俺が出勤したことに気づいたのか上司が来た。 「普通なら会議室で話すところだけど、これから俺と弁護士事務所へ着いてきて。人事部長もいっしょだから」 俺は弁護士事務所へ連れていかれた。 弁護士と思われるスーツの男性が出てきた。 「普通はこういう時は個室の応接で話すのだが、君の場合はオフィスで証人が多くいるところでやるから」 弁護士事務所のオフィスのミーティングスペースに座らせられた。 弁護士がまず口を開いた。 「君はこの時点で解雇。解雇金として三ヶ月分の給与を支給します」 そこで弁護士は苦笑した。 「ここで普通は書面を交わすところだけど、君の場合はそんなものを残したってムダだから、この面談の録音を証拠にするから」 俺はわからなかった。 「なんでだよ」とすごんだ。 人事部長が言った。 「そういうところ。うちは正直、お天道様を下を堂々と歩けないグレーな企業だよ。だけどね、それだけに人を雇う時には気をつかっている。ブラックではなくてグレーだからね」 弁護士は「君の場合、情緒不安定で暴言や各種差別など、それもコンプライアンス上問題になるレベルで、なおかつ論理性が義務教育を受けたと思えないレベルだった」 俺は弁護士に吐いた。 「それがなんだって言うんだよ、このクソ野郎。お前こそ、なんの言いがかりだ」 弁護士はスマホを持ち出して、通話アプリを開いた。 「これから、警察を呼ぶ?経歴詐称をしているよね?あと情報漏えいも。全部、確認しているから。別に刑事にしてもこちらは構わないけど。ただ、私は君の弁護をする気は一切ないから。君が一人で戦ってね」 上司が「君、業務範疇を逸脱してネットを荒らしていたでしょ?あれの刑事告発が既にされているから。君の独断でやったことで会社は関係ないから」 |
2020/12/26 (土) 05:43 公開 |
■ 作者<cfSRZKyw> からのメッセージ 作者からのメッセージはありません。 |
この作品の著作権は作者にあります。無断転載は著作権法の違反となるのでお止め下さい。 |
現在のPOINT [ 1 ] 平均値 [ 1 ] ★★★ 投票数 [ 1 ] 内訳: 最高 [ 0 ] 好感 [ 0 ] 普通 [ 0 ] 微妙 [ 1 ] 最悪 [ 0 ] |
感想・批評 |
---|
2: 微妙 1点 <tFgj8Z.R> 2020/12/31 (木) 10:00 |
1: <Xrsv/HCs> 2020/12/26 (土) 16:07 ひやとい |
だがしかし、弁護士の使う単語などに法的な印象の無いものがある
それぞれのキャラクターも棒人形の域をでていない
また、物語も放り出したままになっており
作家志望者によくある、冒頭だけを書いて最後まで書けない排泄行為となっている