駅 |
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坂本 |
開けるのボタンを押してホームに降りる。 冷たい風が吹いて右前左後ろ右後ろのポケットを叩きリュックは重い問題はないYシャツのポケットからイヤフォンを取り出してはめ丸いボタンを押せば相対性理論人工衛星マギオン時計マリリに雪がちらつく。 階段を降りるビジネスコートが追い抜いてく踊り場で滑り絹のほつれネクタイの赤の黒のバック一階から伸びる通路の横のトイレのなかへと進んでいくそれを横目に左指で叩く太腿の動きの規則性の度合いは速く複雑にくり返しくり返し。 改札に財布を、骨盤を左へ、左のつま先に力を入れて右を向くと月が見えたタクシーも見えた自転車置き場は空いていて、鍵は冷たい。 Wi-Fiのスリープモードを解除接続こうして私の中から興も視力が奪われていく。 どんなに明るく青く光る街灯もストーカーを減らすよりはむしろ私を減らす。 自転車を引き画面をなぞれば車と信号の光以外の光はもう見えない。 月を見る努力をしなければ月を見れないというアイデアも見えない。 そんな余裕を与えない光に私の目は奪われる。 同時に惹きつける光。 白と黒のコントラストは様々にバラバラと目の中に吸い込まれ続け私の中で全てグラデーションに変わる音が混じる色がつく科学者はこれをsynethesiaと呼ぶが死ねも死者も対して変わらないどちらも薄い灰色のたるんだ輪にしか見えない。 |
2013/12/24 (火) 01:06 公開 |
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