バラバラ君 |
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西野狼 |
日本某所、どこかの都道府県の平凡な家庭に、純太という少年がいました。 純太はその名前の通り純粋な子供で両親はたった一人の息子をとても可愛がりました。 ある日純太は両親と共に家具を買いにとある有名な家具店に買い物に行き、ラックを一つ買い、家に送ってもらいます。 家に送られてきたラックを見て、純太は首をかしげました。 そのラックは組み立て式でお店で見た完成品と違い、バラバラの部品だったからです。 不思議に思った純太は父親に聞きました。 「おとうさん、これっておみせのとちがうよ?」 父親はその質問にほほえみながら答えます。 「それはね、自分で組み立てて作るものだからこうやってバラバラの状態で送られてくるんだよ、今から組み立てるからねぇ」 「ふぅん、なんでバラバラでおくられてくるの?」 「そうした方が運んできやすいからだよ」 「ふぅん、なるほどぉ、そっかぁ」 純太は納得してうなずきました。 「今日も一つ賢くなったな、純太」 そんな息子の頭を父親は優しくなでました。 ・ 小学生の純太は遠足にいきました。 楽しい楽しいピクニック、とある自然あふれる広い公園です。 純太には美海香という仲のいい女の子がいて、自由時間に誰もいないところで二人で遊ぼうと美海香が言うので自然公園の森に入って帰り道がわからなくなってしまいました。 出口を探して歩きまわっているうちに美海香は疲れて座り込んで、泣き出してしまいました。帰れない不安と疲れで美海香は動けません。 「かえりたいよぉ、おかあさぁぁん、おとうさぁぁん」 泣きじゃくる美海香を見て、純太はどうしようもなくなってしまいました。 その場から動けそうにない美海香をおぶっていってあげようか、とも考えましたが純太自身も疲れていて、とてもそんな体力は残っていません。 そこで純太は前に父親に教えてもらった事を思い出しました。 バラバラにして運べばいい。 純太はまだ人の生死について無知な子供でした。 純太にとっては運よく、美海香にとっては運悪く、誰かが置いていったのこぎりがそこに落ちていました。 「じゅんたくん?」 しゃくりあげながら美海香ちゃんは、のこぎりを持ちやってくる純太の行動に不安そう首をかしげました。 純太はその不安を和らげるように笑顔で言いました。 「だいじょうぶだよぉ、みみかちゃん、ぼくがつれていってあげるからねぇ」 その後、純太はのこぎりを使って美海香を切り刻みました。 最初は泣き叫び暴れた美海香でしたが、もみ合いになったときに転んで木の根に頭を打ち、静かで動かなくなりました。 物言わない肉になった美海香を純太は時間をかけてバラバラにしました。 血が飛び散り純太の服を、肌を濡らしますが、それでも純太は仲良しな美海香と一緒に帰るために大好きな美海香をたくさんの肉片にしました。 先生が駆けつけた時には美海香だった物を血まみれの純太がかき集めていました。 この事件は誰が悪かったのでしょうかか。 バラバラにして運ぶことを教えた父親なのでしょうか。 それとも切り刻んだ純太自身でなのでしょうか。 命についての教育をしていなかった担任なのでしょうか。 誰もいない場所に行こうと言った美海香なのでしょうか。 議論は今も終わっていませんが純太は幼いということもあって、裁かれずに今も生きています。 ニュースにもなったこの事件、純太の名前は公開されなかったので、ネットの某チャンネルではこの小学生のことをこう呼びました。 バラバラ君………と。 |
2016/01/10 (日) 00:36 公開 2016/01/10 (日) 09:22 編集 |
作者メッセージ
もちろんフィクションである 私はかなりの無知なのでこの内容がどこかの小説の内容とかぶっていたら教えてほしい すぐに消そう |
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