帝釈天 |
---|
ドナルド章士 |
その日はあめで言うこともきかず、傘のアルミ製ときたら、腰のおれたふしぶしを、これでもかというほど、まぬけに見繕うものだから、ぼくは恥ずかしさもなく女子に声をかけて期待もなく素通りしたあの恥ずかしさはこえているはずだが、なりようというのは随分てきとうな産物である。 「あの周斥さん。傘……」 「わかっているよ。ぼくは墓荒らしにでもなりたいきぶんで、ここを歩いているんだ。そういう男気をかうとかかわないとか、大体、きみはなんだい? 着物姿でデビットソンのボーイズジャージ。ずいぶんシャレてるね。ぼくはきみをおそう程ハレンチなペープルピープルじゃないけど、たいそう男気を、大体、おかしいじゃないか!? これで風景が完成したら、ぼくのジョーイズアーリアーのフィッティングシャツがお泣きだよ。きみときたら、ぼくが冗談を言っていると思ってるね? そうだよ。男は冗談。女は鳴き芸。どこの上楽社会も決まってる。だけど、この傘を見たまえ。パイプがたいそう泣いておられる。こんなぼくに君が喋りかけたら、周りのひとはぼくに男気がなく、ゆすられているのはマイネームイズ・文人作家だよ。昭和の一人芸じゃないんだよ? 太宰治なら、太宰ならこれでくすっと笑わせることもできるかもしれないが、きみは斥ガン中毒アルコール症状者がタレント気取りでも、そんな顔をするのかい?」 「ごめんなさい。わからないけど、そうそう、博文屋が新聞で書いていたけど、最近故郷の錦を、という言葉を静品みない中造家が多いがなんて書いてありましたが、なくはなくともドドイツですね」 「なんだい!!」 ぼくは嫌になったのは彼女が美麗家とかシモ四桁がパースフリーとか、金のかからぬ女程金をかけさせたらビックバンとか、はたまたくだらないことを思いになる建国国民保険をあばのことてるな中流文人のまくしたてに押されて、調子に乗って2円構造を誤視し、16円で買った時のようなあとのまずいワインのぼうふらな気分になった。 ともかく、家に帰らねば傘はゆずれないので、帰るのだが、夜風とは、世風と書いて、波紋は徳川の大夫なりけり、かな。 その日は、蝉の先祖返りの夢見て、浪漫靜の大酌金。 |
2018/09/09 (日) 23:59 公開 |
作者メッセージ
メッセージはありません。 |
この作品の著作権は作者にあります。無断転載は著作権法の違反となるのでお止め下さい。 |
現在のPOINT [ 0 ] 平均値 [ 0 ] 投票数 [ 0 ] 最高: 0 好感: 0 普通: 0 微妙: 0 最悪: 0 |
感想・批評 |
---|
太宰風意味不明文を極めるのか。
1:ひやとい <K0jWOydH> 2018/11/06 (火) 23:51 |