| 食慾堂  作者:ヤマモト  へのレス | 
|  些か滑稽な設定に惹かれて興味深く読んだ。最後の「健常者として普通に食事ができる幸福と空腹感を噛み締めながら」という一文にこの作品の主題は凝縮されていると思う。一度でも体を悪くして食べられなくなった経験のある人はこの作品にひとしおの共感を持って読むことができるのではないだろうか、私自身もそんな読者の一人であった。 
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| 美味しかったもの  作者:ぷぅぎゃああああああ  へのレス | 
|  内容としてはベタなホラーもので、展開も途中からある程度予測できたが、読み進める毎に緊迫感が増していくのは、平易な言葉で綴られているだけに不気味でありなお一層効果的であったと思う。そこに作者の気遣いとともに力量を感じた。 
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| 秋刀魚の逡巡  作者:ランダカブラ  へのレス | 
| コラージュのような作品で、各エピソードは面白く読んだのだが、全体のまとまりをやや欠いてしまっているような印象を受けた。ばらばらな各エピソードがもっと連関の度合いを増し、主題に向かって収斂していくような書き方を心がけてみてはどうだろうか、というのが率直な感想であった。人間は高度な知的生命体ではあるがそこには同時にバグやウイルスもあり、また、より大きな生き物の歴史や摂理の輪から俯瞰してしまえば喰って喰われる動物や昆虫と同列の一環にしか過ぎなくなる。主人公が秋刀魚や果物を喰って、秋刀魚や果物が主人公を喰って、いかにも径庭があるようで実は紙一重であるその間には大差などないのだという作者の逆説的なアイロニーが垣間見られた。
 
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| 白猫シロはかく語りき  作者:オチツケ  へのレス | 
| >>4さん主人公に甘いかあ、たしかにシロが死んだのになんで主人公が「気楽に生きろ」なんて逆に慰められてるのかってところはあるかもしれない。あるんだけども!あんまりそこは気にせず、死んだとか死んでないとか関係なしにあの会話を読んでほしかったんですよね(わがまま
 そんなにあの会話言わせたいならそれこそぬいぐるみでいいじゃんって話になるのも頷けますけど、でもシロが死んで悲しいから主人公はあんな状態になったわけです。
 この話は「食欲がなくなるのはどういうときだろう」から始まって「よし、ある日帰ったら愛猫が死んでたことにしよう」「それで最期のお別れにちょっとだけ話ができるとしよう」「猫をちょっと説教くさくしてみよう」ってコンセプトで書き始めたものでした。主人公に甘い、という指摘は完全に無意識だったので、ちょっとよく考えてみることにします。
 
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| 白猫シロはかく語りき  作者:オチツケ  へのレス | 
| 書きながら全俺が泣いた!ということで書かなくちゃいけないことの七割くらいは想像しただけで頭の中に置いてきてしまったなと反省。
 オチがいきなりとか読者置いてきぼりとか思われてるのももっともで、というのも猫と私の会話が結構濃かった(自画自賛するみたいだけど)から、その流れをぶっつり切って「私と暮らして楽しかった?」と持っていったところにあるんじゃないかなあと二日置いて見直してみて思いました。
 なにはともあれ読んでいただき、しかも感想まで残してもらってどうもありがとうございます。皆様の感想は私の感想フォルダの肥やしとなるのだ!わははは!
 
 >>2さん
 >すでにこの時点で、ネコのシロは死んでいて、食欲不振の原因はシロの死によるものと、一度読み終わってからもう一度読み直すと、最期の一行で想像できるのですが、だとすると、原因不明のように書かれている冒頭に違和感があります。
 
 ぎりぎり原因不明に思われないように書いたつもりなんですが、まあちっと詭弁くさいかもしれませんね。あと太田光好きなのでちょっとうれしい。
 
 >そういうちぐはぐな部分が、全体をぼやけたものにしてしまっている気がするのですが、それをアルコールの所為と言うわけでもないでしょう。
 
 まだ傷心が癒えてないということですね。これも取ってつけたように見えるかあ。
 
 
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| 皆既月食の夜に  作者:秋吉君  へのレス | 
| 擬人ネタはこういう方法もあるんだなあ。全然わからなかった。むしろごみ袋の中はまた人肉でワインは血かな、なんて思いながら読んでた。それだけに最後を読み終わった後はちょっと微笑ましい。もしかしてこのカモフラージュのために一番最後に!なんて深読みしてみる。評価:3.5
 
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| 唇  作者:マグナ: 食欲の秋祭り  へのレス | 
| シーソーみたいなカップルや。個人的にはそこんとこに力を入れて書いたらよかったと思うんですけどね。これだと一本調子でオチなく終わった感じがする。最後の唇のことは取って付けた感がなきにしもあらず。題名にするほど重要なキーワードだとは思えなかった。評価:3
 
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| 一万円さきいか  作者:毛を植えた男  へのレス | 
| トロッコは最寄り駅に続いてるのかと思ったけど、最後に歓楽街で仕事があるとあってそこんとこがちょっと混乱。前半はよかった。けど一万円さきいかも特に仕掛けがあるようなこともなく。プランAとかCも二人の計画も「あんなこと」とかいうのも類推できるようなヒントが見当たらなくて消化不良に終わっちまいました。評価:2
 
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| 遡行の終端  作者:もりそば某  へのレス | 
| 五枚って思ったより短くて物語の基盤だからって半生を描こうとするとどうしても説明的になる。いわんや一人称のモノローグ形式になると説得力・リアリティを持たせるのはとても大変。単調な説明で面白味がないし、場面が飛びがちで感情移入できる隙間がない。今回の祭りでこの形式で出してる作品はこの他に「10月8日」があるけど、残念ながらどちらもあまり巧くいってないように思う。この形式で五枚を満足に書き切るのは至難の業じゃないかと思いました。評価:2
 
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| おしい男のチャーハン  作者:押利鰤鰤  へのレス | 
| ここ五作くらいすごくよくてこの辺が賞を総なめしていきそう。この作品はあんまり評価されないかもしれないけど俺はすごい笑った。文章で笑わせたらもう勝ちですわ。クッソ、それにしても時事ネタは卑怯だな。評価せざるを得ませぬ。評価:4
 
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